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・・ | 1stミニアルバム 「闘魂行進曲」 (2002 BATTLE MARK [GM-01]) 1.闘魂行進曲 2.鷲羽ばたく太陽のもと 3.炎を上げて 4.突進、一撃 5.ブルースカイ青雲 |
〜アルバム解説
元BRAVE BOMBERのメンバーが、再び日本のメタルシーン、ひいては音楽シーン全体に
魂の一撃を食らわせるべく製作した、挨拶代わりといえる1stミニアルバム。
軍歌的かつ哀愁を漂わせる旋律、ユニゾンで迫る野太い歌唱…といった
BRAVE BOMBER時代からの彼等の特色はそのままに、日本語によるこれ以上ないくらい熱く戦闘的な歌詞、
「炎を上げて」や「ブルースカイ青雲」といった、よりキャッチーな楽曲が収録されている点が
かつてとは大きく異なる。
メタルリスナーのみならず、熱い音楽を愛する者に強くアピールする歌詞世界&楽曲群は
たやすく聞き流すことのできないクォリティを持ち、一度耳にしたら決して忘れられぬであろう
強烈なインパクトを放っている。
音質は正直今ひとつな部分もあるが、プロダクションはこれからさらに向上してゆくはず。
凱旋MARCHの何たるかを知るにはうってつけのアルバムだ。
〜楽曲解説&感想
1.闘魂行進曲
彼等の真髄が発露した、彼等にしか為し得ない、代表曲にして屈強な軍歌メタル行進曲。
まさに軍歌そのものといえるイントロの一連のフレーズは、初めて聴いたときはあまりにも衝撃的であった。
栄光を目指して、己自身に戦いを挑む彼等自身の生き様を斉藤が唸る様に歌い上げ、
そしてサビでは、歩兵の進軍の如く、大和魂とコブシの効いた漢のユニゾンで重厚に迫り来る。
間奏における「March On!」の掛け声、齋藤の魂の咆哮「闘魂!!」は強烈の一言に尽きる。
最後のサビで「己との闘いに白旗は振れない 闘わず人生を投げるな」
「迫り来る闘いに突き進む戦士は 真実の勝利を知るだろう いざ前進」と結ぶ歌詞は、
こうした熱い音楽を愛するメタルリスナーのみならず、
疑問や悩みを抱え、くすぶりながら日々を生きる者達の心にも大いに響くであろう。
表面的な派手さこそないが、雄々しくスケール感溢れるギターソロも曲にマッチしている。
2.鷲羽ばたく太陽のもと
ジャーマンメタルを想起させるリフワークと節回しが特徴のスピードチューン。
勇壮極まりない歌詞&メロディを歌い上げる齋藤、そしてそれに続く漢コーラス
「Eagle flying under the rising sun」のあまりの熱さ、
英語を感じさせないあくまで日本的な節回しにいきなりKOされた。
お約束通り、ユニゾンで歌い上げるサビ「鷲は羽ばたく太陽のもと 志(こころ)高らかに」のくだりは、
疾走する曲調とも相まって、獲物に向かって一直線に降下する鷲のように聴き手に迫る。
緩急を交えながらも、テンションの高まってゆく攻め込むようなギターソロも威力絶大。
3.炎を上げて
往年のロボットアニメ「ゲッターロボ」の主題歌に似たイントロで幕を開ける、ストレートなロックチューン。
とはいえ、そこはやはり凱旋MARCH、ただの格好いいロッケンナンバーではない。
ロボットアニメの主題歌と軍歌を合わせたかのようなキャッチーかつ重厚な曲調は、
まさに闘魂の印が刻印された、凱旋MARCHならではのものである。
艱難辛苦に耐えつつも、不屈の闘志を振り絞れ! と聴き手を鼓舞する歌詞は熱すぎて火傷しそうだ。
マジンガーZやゲッターロボといった、昔のスーパーロボットの主題歌にピッタリだな、と個人的には思う。
必殺の漢ユニゾン攻撃によるサビの「男なら炎を上げて 生き様を貫いてみろ」との熱いメッセージは
胸に熱いものを秘めている男達の心にジンと響くこと請け合いだ。
4.突進、一撃
ミドルテンポでずっしりとした、ヘヴィチューン。
こうした曲は、ややもするとかったるくなりがちなのだが、ひりつくほどにヒステリックなギターの刻みが
聴き手にダレることを許さない。
闘人達による逞しい歌唱、そしてギターソロのハイライトでその緊張感はクライマックスに達する。
闘う者の気迫と哀愁を高らかに歌い上げた歌詞は、やはりと言うべきか実に力強く、
「兆発に乗るな 己の戦術を貫け」といった、他のバンドではまず聴かれないフレーズが連発される。
サビでは、軍隊の小隊長と兵士達を想起させるような「突進、一撃!」「勇敢に!!」といった
戦闘的極まりない掛け合いが繰り広げられ、これまた聴き手の脳味噌をぶっ飛ばす威力である。
最後、齋藤の燃え尽きるかのようにうめく「突進… 一撃…」に、闘人の浪漫をひしひしと感じる。
5.ブルースカイ青雲
BRAVE BOMBER時代にはなかったタイプの、メジャーキーによる曲。
少しテンポを落とせば、甲子園の入場行進にそのまま使えそうなシャッフルチューンだ。
「少年よ大志を抱け」「栄冠は君に輝く」という言葉がすぐに連想される、清々しくも堂々たる歌詞とメロディは、
聴き手の心を、しばしの間少年時代にトリップさせる。
聴いていると、思わず青空を見上げたくなるような曲だ。
ちなみに、齋藤は学生時代に野球をやっており、その原体験がこの曲に結実したのではないかと思う。