凱旋MARCHとは何ぞや?
新しいアーティスト、新しい唄が泡沫の如く生まれては消え、生まれては消える音楽業界。
数多の歌唄いが、色恋、迷い、喜び、悲しみ、楽しみ、暴力的な衝動…などなど、
数え上げればきりがないほどの主題を、自らの想いを込めて唄い広めてゆく。
しかし、僕が歳をとり過ぎたせいなのか、あくまでも個人的にではあるが
この国の現在の音楽シーンに非常に物足りなさを覚えるのだ。
思うに、メジャーのアーティストの多くは、圧倒的な力強さに欠けている。
耳触りの良い歌詞とメロディで迷いや切なさを紡ぎ、判で押したように前向きな言葉で結ぶ…
悪くはないと思うし頭で理解はできても、決して熱くはなれない。
僕が求めていたのは、圧倒的な存在であった。
一聴しただけでそれとわかる強力なインパクト。
ハートと耳に残り、思わず口ずさんでしまうメロディー。
そして、何があろうと流されたりせず、己を貫き力強く前進するアティテュード。
これらを兼ね備えた、僕を燃え上がらせてくれるアーティスト
(個人的には、初期のブルーハーツ以来になる)を常に求めていた。
…僕が求めていた存在は、メジャーではなくインディーズにあった。
その名は 凱旋MARCH!
彼等の音楽を一言で言い表すと、『軍歌メタル』である。
どこか日本的な郷愁を感じる軍歌的なメロディ、聴き手をを鼓舞する仰々しいまでに戦闘的な歌詞を
屈強なメタルサウンドに乗せて、力強く歌い上げるのが彼等のスタイルだ。
無論、こうした音楽をプレイするアーティストは他におらず、そのサウンドはまさに唯一無二のものである。
現在の日本人が過去に置き去りにして、うっかり口にすれば笑われそうな 『闘志』 『勇気』 。
内に秘めたそれらを奮い起こして、苦境を打ち破り 『前進』 せよ! そして明日の 『栄光』 を掴め! と、
バンドの創始者でありヴォーカリストの齋藤正寿は聴き手を叱咤する。
コブシの効いた勇ましい掛け声&コーラスワークをふんだんに取り入れた、彼等の熱血が注ぎ込まれた
逞しい唄は、日々苦闘し己の人生に正面から向かい合う者達の心にじんと響き、
じわりじわりと支持者を増やしつつある。
そんなファン達を、彼等は親愛の情を込めて 『闘人』 と呼ぶ。
ライヴではそんな闘人達の熱いサポート・パフォーマンスが炸裂、
熱い演奏を繰り広げるバンドと一体となって、回を追うごとに凄い盛り上がりを見せている。
凱旋MARCHを未聴の方へ。
もしあなたが熱い心を胸に秘めており、人によっては失笑を禁じえないほどのクサい言葉に
図らずも共感を示すのであれば、是非彼等の音楽に触れてみては如何だろうか。
一片の迷いもなく前進する彼等の、日出ずる国より生まれた鋼の如きサウンドは
もしかしたらあなたを支えてくれる、かけがえのないものになってくれるかもしれないから。
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